それもそうだ、妖怪退治屋や陰陽師の存在を知らず視妖の力に目覚めた者はたくさんいる。 この子も、突然力に目覚めたのだろうな。 「この札を渡します。その札を妖怪に放てば祓えます。あなたも、視妖の力を持つ者なら己の身は己で守りなさい」 私は数十枚の札を寺嶋綾に渡すと、そのまま倉庫を出ようとした。 「あ、あなたの名前は?」 私は振り返って、少し微笑んで見せる。 「華杜祷だ」