「私の子供を…。お願い…」

雪女は、最後に笑ってそう言うと、雪の結晶へとなって、空へと上がって行った。

「そ、んな…」

「口封じのために、誰かが雪女を殺した」

「酷いよ…、こんな事するのんて」

私は、一人残された雪ん子を抱き上げた。

「おい!千奈そいつを抱き上げたら」

「大丈夫だよ白、だって…」

抱き上げた雪ん子は、さっきとは違い穏やかに微笑んでいた。

この子を間違えずに育てれば、雪女も救われるかもしれない。

「白…、この子私の神社で預かっちゃ駄目かな?」

「千奈?」

「この子を、一人には出来ないし。それに、雪女にもお願いって言われたから」

「……。分かった」

白は、苦笑いで言ってくれた。

「ほら、帰るぞ」

「うん!」

私は、白の手を握り雪山から出た。