初恋 神隠し

「大丈夫か?雪女」

「はぁ…はぁ」

息を整えている雪女は、とても辛そうに見えた。

「私の…子は?」

この雪女、やっぱり雪ん子が大切なのかな?

「安心しろ、大丈夫だ」

「良かった…」

ホッとする雪女を見て、私も笑顔になる。

「そんで雪女、何で千奈を狙ったのか話してみろ」

「そ、それは…。雪女の子供の雪ん子は、この子で最後かもしれないの」

「え?」

どういうこと何だろう?

「私は…、ある妖から聞いたんだ、空の巫女の力を雪ん子に捧げれば、この子は永遠に生きられるって」

「そんなもの、嘘に決まってるだろ」

「白?」

「空の巫女の力を手に入れたって、永遠の命なんて手に入らねぇよ」

私は、自分の存在が怖くなってきた。