初恋 神隠し

先に動いたのは雪女の方だった。

雪女は、胸の前で手を合わせると、手の中から氷で作られた妖刀を出した。

「妖刀雪景晶(せっけいしょう)」

しかし、白は何も構えずに雪女を見ていた。

(どうしたの白…。妖刀を出せば…)

そこで私は、思い出した。

(確かあの妖刀は、黒い影を封印して)

水の中へと消えた、それなら今は白は、妖刀を持っていない。

「あら?妖刀無しに私と戦うのかしら?」

「あぁ、お前なんて火があれば十分だ」

白はそう言うと、雪女目掛けて走りだす。

「赤火」

両手に赤火を出した白は、いくつもの赤火を雪女に放つ。