初恋 神隠し

「白……」

「大丈夫だ」

白は、私を背後に庇いながら手のひらに赤火を出す。

「まぁ、その鈴の音を便りに、この世界へ通じる狭間を見つけてな、そこを無理矢理通って来たんだよ」

「なら、二人纏めて氷漬けにしてやる」

雪女は、手に抱いていた雪ん子をその場に降ろすと、一歩二歩と私達の所へゆっくりと近づいてくる。

「お前こそ、覚悟出来てるんだよな?」

白は、鋭い目つきで雪女を見る。

白の紫色の瞳が、金色へと輝く。

「千奈…、離れてろ」

私は、白の言葉に頷き、白の元から離れる。

二人は、互いの様子を伺いながら睨み合っている。