初恋 神隠し

私は、自分のことを知らないまま死ぬんだ。

雪山一人で……。

「それじゃぁ、さようなら空の巫女」

そんなの……嫌だ。

私の足元を凍らせていた氷は無くなり、私はそのまま落下し始める。

「白……」

もう一度、大好きは人の名前を呼んだ。

「白ーー!!!」

「千奈ー!!

瞑っていた目を開いた時、私の目の前に白の姿があった。

「白!」

白は、宙を飛びながら私の元へと来る。

「何故あいつがこの世界に?!この世界に簡単には入れないはず」

白の私の方へと手を伸ばす、私も白の方へと手を伸ばす。