初恋 神隠し

「痛!!」

「だから大丈夫だって言ってるだろ、そう何度も聞くなよ」

「だって……」

白の胸に顔をしずめる。

「凄く心配だったんだよ、白が化け犬になったって聞いて」

「でも今こうして千奈に会えてる」

白は優しく私の頭を撫でてくれる。

(何故だ、お前の体は俺が支配していた)

「…千奈の声が俺に届いて出口への道標となってくれたから、俺はお前の支配からでられた」

(そんな………、そんな事あってたまるかー!!)

白の体の中から出てきた黒い影は、私めがけて飛んでくる。

「白…」

白の服を掴むけど、白は私の手をとって背後に庇った。

「お前はもう消えろ、そして千奈には触れさせない!」

白は左手を目の前で翳すと、白の手の中に刀が現れた。