初恋 神隠し

【白幻】

鈴の音が聞こえてくる。

何処から聞こえてくるんだ…。

何で俺は眠っているんだ。

(……)

ゆっくりと目を開けると、俺の手の中で鈴が光輝いていた。

(………鈴)

「白!」

女の子の声が聞こえる。

(…この声は…!千奈!!!)

そうだ俺は、もう一人の俺に眠らされて、それで体を。

俺の手は千奈めがけて振りかざされた。

(千奈は……千奈は俺が守る!)

その時、俺の持っていた鈴が光を放った。

(何だこの光は!)

もう一人の俺は、その光に照らされ苦しんでいた。

「…ここは?」

俺の目の前には、ずっと待ち続けていた人がいた。

「やっと…、会えたんだ千奈に」

俺は、愛しい人の名前を呼んだ。

「千奈!!!」