初恋 神隠し

(やはり、あの女からだ)

白はそう言うと、ゆっくりと私の所へと来る。

「白!私だよ千奈だよ!!」

(呼びかけても無駄だ、こいつはお前の事を覚えていない)

「えっ……」

白が私の事を覚えていないって、じゃぁ初めて会った日のことも、お互いに交わした約束のことも全部……。

「巫女様逃げろ!」

それでも……、私は………。

「私は、逃げません!白が私の事を覚えていなくてもいい!約束を覚えていなくてもいい!!それでも私は……」

白が爪を出し、私に振りかざす。

私は手に鈴を持って叫んだ。

「それでも、私は白の事が…大好きだよ」

白に優しく微笑み、目を閉じる。