初恋 神隠し

(いやでも、黒幻様に限ってそんなことは……)

そんなことはないと願いたいです。

(何処へ逃げるつもりだ黒幻)

「しや、喋った!」

「そりゃ喋るさ」

(その女を寄こせ、その女を食って我の力に)

やっぱり、白は私を食べようとして。

「それは無理、この子は大切な巫女様だ、お前にあげるわけには行かない」

黒幻様は、一度止まると私を背後に庇い赤火を白に向けて放つ。

「赤火!」

いくつもの赤火が白へと命中するけど、白は火傷するどころか効いてなかった。

「そ、そんな!」

「やっぱり、僕の力じゃ駄目か」

(お前の力じゃ無理だ)

白は、大きな手を私達めがけて振り下ろす。