初恋 神隠し

でも、この鈴があれば白は私の存在に気づいてくれる。

「行くぞ」

「はい」

大きな鳥居を潜り抜けたとき、周りの景色があっという間に暗闇へと変化した。

「真っ暗!」

「青火(あおび)」

黒幻様は、手のひらに青色の炎を出した。

「この世界は無の世界、だから何も聞こえないし何もない」

「白は?こんな所に一人でいたんですね」

「そうだな、白幻がいるのは奥のほうだけど」

黒幻様は、手に力を入れた。

「黒幻「来るぞ!!」」

黒幻様は、じっと目の前を睨みつけている。

「来るって」

「化け犬になった白幻だ」