初恋 神隠し

「君のせいじゃない」

「でも!私が……、私が!」

言葉が出てこない。

「……。君の言う通りもしかしたら君のせいなのかもしれない、だけど白幻は化け犬になる前に話していたよ」

「え?」

「あの世界で巫女に会った、凄く素敵な笑顔を俺に見せてくれた、俺は絶対あの子を守る。ってね」

「白が、そんなことを」

何で白は自分の事より私のことを優先にしてくれたの?私にマフラーをあげれば、妖力を抑えきれなくなるって分かっていたはずなのに。

「さっきも言ったけど、白幻が君にマフラーをあげたのは、あやかしから君を守るためだ、あいつは自分の事より君を大切だと思っているからだ」

「………白」

首に巻いていたマフラーに顔をしずめる。

貰ったばかりの頃は、いつも白幻の臭いがしていたけど、いつの間にかその臭いも消えてしまった。