私の大親友である天矢視美心（あめやしみこ）ちゃんは、大のみかん好き。

「ん〜！やっぱり千奈の家で採れるみかんは美味しいな〜」

そんな事を言いながら、また一つと口に入れる。

「美心、そんなにみかん食って飽きないのかよ」

美心ちゃんの隣では、私の幼馴染の山鹿等神斗（やまからかみと）君が、コーヒを飲みながら言う。

「そう言う神斗だって、どんだけ甘党なんだよ、コーヒーに砂糖何杯いれたのさ？」

「そ、そんなの別にいいだろ。俺はただ、このコーヒーが苦かったから砂糖を入れたまでさ」

「…………嘘くさ〜」

美心ちゃんは、神斗君を馬鹿にした目で見ながら、みかんを食べ続ける。

「う、うるせぇぞ！千奈こんな奴置いてさっさと行くぞ」

「う、うん」

「ちょっと待った、それは私の台詞」

美心ちゃんは、立ち上がると私の腕を掴んできた。