──あれから十年───

「おーい、千奈さん起きてください」

「ん〜……………」

名前を呼ばれた私だけど、起きるのが辛くて、更に中へと入り込んでしまう。

「千奈さん、今日クリスマスですよ」

「!!」

その言葉で、一気に目が覚めた。

「おはようございます、千奈さん」

「お、おはようお父さん」

季節は冬、今日は年に一度のクリスマスイ。

「居間の方で、神斗さんと美心さんが待っていますよ」

「え!もう来てるの!!?」

ベッドの中から出た途端、寒さが私を襲った。

「さ、寒い!!」

「それはそうですよ、外は雪が降っていますからね」

お父さんに言われ、カーテンを開けてみると、外一面に雪が降り積もっていた。