空とマンホール


「砂藤さんは?」

「あたしも嬉しい言葉貰ったんです。ずっと自分が思ってた言葉を、誰かから貰うなんて思ってもみなかったので」

大凡そのお相手は汐野くんだろう。

苦笑してそれに頷く。でも、幸せな人と一緒にいるのも悪くない。
準備室から先生が現れた。

「先生、持ってきました。色はこれしかないって」

「そっか、じゃあ必要な分だけ書き出しといて」

はーい、と返事をする声を聞いて、良い後輩を持ったと思った。

「そういえば先輩、ポスターのモチーフは何にするんですか?」

二人の視線がこっちを向いた。
よし、決めた。

「空とマンホール」




end.
2014.12.07