優雨 side.

「てかさー、優雨、リョースケ…って人
好きなんじゃなかったのー?」


お昼休みに入ったから中庭で美沙とお昼ご飯をとっている


「…どうして、そんなこと聞くの?」

「いやー、だってさー、好きだったら
あんなことしないでしょ」


あんなこと、とは先程の演技のこと


「好きよ」

「え!?だったら…!」

「でも、憎んでる」


そう、私は涼ちゃんが好き
だけど、憎い


「…でも、好きなんでしょ?」

「えぇ、好きよ、大好き
でも、好きだからこそ私は涼ちゃんが
憎い」

「そっかぁ…まぁ、優雨がそれで良いな
ら私は良いよ〜」

「ふふっ、ありがと」

「いいえ〜」


私から、全てを奪った涼ちゃん
親友も、仲間も、母も、姉も
私の居場所も…

ねぇ、涼ちゃん、貴方が今から味わう
苦しみが私の苦しみだよ?
しっかり味わってね?



地獄の手前が見えるまで