「部屋割りは、みんなの希望を募って決めないか」

冷夜が、みんなを見回しながら言う。
私以外のみんなは、頷いた。

別に私もそれでいいんだけどね。

「じゃあ、決めよっか。

まず、階段上がってすぐ右の部屋。この部屋は『花の部屋』となっていて、花モチーフの家具が多いようだ」

「そこ、私がなってもいーい?」
夢奈が手を上げる。

「誰かいる?」

冷夜は自然に私を見た。

まあ、その気持ちもわからないわけではない。

いるとしたら私だろう。女子は私と夢奈だけだし、男子でこうゆうのが好きなのは珍しい。

ま、私は嫌だけど。

「じゃあ、花の部屋は夢奈だ。

そしてその向かい。ここは『シンプルな部屋』で、まあその名の通り結構落ち着いた簡素な部屋だ。

さっき吟がここになりたいって言ってた。他に意見は?」

辺りが静まる。

「じゃあ、俺だな」

吟が笑いながら言った。

シンプルイズベストって言うもんね。好きなのか。


「そして花の部屋の隣が『魔法の部屋』で、魔具の取り揃えが多い。ここ、僕が良いんだけど…」

「いいよ!」

大樹が言ったおかげで、ここは冷夜となった。


「ありがとう。
そしてその向かい、シンプルな部屋の隣が『色の部屋』。ここは目が良い人にたのみたいな。家具が勝手に1日おきに色が変わるんだ」

「はいはーい!僕、なりたい!
いーい?」

大樹が私を見る。

私は頷いた。

「そして最後、奥の部屋が『月の部屋』だ。この部屋は夜をモチーフにしている
…ごめん、千草…ここでいい?」

「別に」

元々余り物希望だったしね。
ていうか、私が来る前に見てたのか…
だからするするみんな決まってたんだね。