「……デス…ゴーシァ」




私は杖を持たずに呟いていた。


ザシュッ




……………………え?








なんで…?
なんで吟は私を抱きしめていた手を緩めたの…?


なんで緩めたと思ったら倒れかけているの…?


なんで胸から腹にかけて大きい切り傷ができているの…?






なんでそんな切なそうな目で私を見るの…?






「千草………」





吟はゆっくりゆっくり地面へと倒れた。






「い…い……い……いやあああああああああああああああああ‼︎‼︎‼︎」








私、今なにをしたの…?

今、確かに『死』の魔法を唱えてた…?




なんで…なんで……




「千草………」


「吟、ごめんなさい!ごめんなさいで許されるとは思っていない…

けど………うぇっ…………グスッ………死なないでええぇぇ……」





愛する人をみんな殺めてしまった。



カエデは、きっとあの傷じゃ…
それに夢奈。春美。


そして吟……!






吟の切り傷からの血はドクドクと溢れ出した。


止まらない…
でも、私はわかっている。


今私が唱えた魔法は、どんな回復魔法でも回復できない『禁断の魔法』だってことを…!