目の前が涙でいっぱいになって。


夢奈が次第にぼやけてくる。



ごめん。夢奈。

私は、終わらせるよ。全てを……






「吟。ごめんなさい。全てを終わらせる…」





「終わらせるってなんだよ?」





「戦争を。それと…私の存在を。
黒くなってしまった私の心は欲望を止められない。
今でも私に近づくと危ない。半径5mには近づかないで」



私がそう言うと吟は静かに私から遠ざかった。






『壊せ』


『全てを』






欲が止まらない。


欲が限度を超える前に、わたしを終わらせなきゃ…