視界の端で、わずかに赤が動いた。

足音は、8つバラバラに聞こえた。

4人の赤が動いているのがわかった。


私は自分の格好を何気に見てみた。

あれ?私、まだ黒のフード付きコート着てる。


こんなんじゃ、バレちゃうかな、すぐに。

私が氷の魔法使いってこと。


私は口の端を上げた。

そして、左に顔と体を向けた。


「………感動の再会ってやつ?」

「感動とは、思わねえんだけど」


私は目の前の赤を見上げた。


「……しばらくぶりだね、吟。みんな」


私は、貼り付けた笑顔で言ってみせた。