「………用事ってなに?」

廊下の隅に連れておいて、冷夜はだんまり。

さすがに少し戸惑うよ。


「あぁ…いや、なんでもない。

ちょっと聞きたいことがあったんだ。
見に覚えがなかったら答えてくれなくても構わないんだ…」

冷夜は目をそらした。


……こんな冷夜、珍しい。


いつも冷夜は全て考えた上で言ってるかのように、的確で正しいことを淡々と言って見せる。



こんなしどろもどろになってる冷夜は珍しいんだ。