「……ってなわけなんだけど、リーダー。
詳しい追加の計画説明は終わりましたが、なんかありますか?」


シランが私に聞いてくる。


……ごめん、シラン。ちょっと聞いてなかった。


なんて言えるはずもなく


「私からはない」

と無表情で言った。



「わかりました。
質問があったら私含む3幹部の誰か、副リーダー、リーダーにお伝えください。
リーダー、あとはお願いします」



シランが一礼して、もともといた自分の席へと座る。



えっと…私から話すことなんて、あったけな。


ヘルプな意味を込めて春美を見る。

すると春美は呆れた顔をしながら、立ち上がった。


「ここから先の説明は、敵について、です。
ではフグリ、改めて説明して」


あ、そうだったそうだった。敵について、だった。

春美が少し睨んで来たけど、私は気にしません。


「みなさん。
分かっていると思いますが、敵は政府です。

政府は、多分私たちとの戦いのことを魔界民には言わないでしょう。
なぜなら、その戦いを終えた後、絶対大臣からただの政府の人まで、全部決め直さなきゃいけないからです」


私は立ち上がって言った。

その様子に、みんな私の言葉に耳を傾けている。


「なぜか。それはみなさんわかるでしょう?
魔界民との大きなトラブルが政府との間に発生した場合、政府の者は問答無用で全員1回退職させられます。

このことは、いつからできたのかわからない、けど常識である絶対的ルールなのです」


そう。

この魔界には、そんなルールが存在する。

本当にいつからできたのかわからないらしい。

歴史が深い魔界だし、もう何万年前の可能性もある。



「だから、政府は戦場を作るはずです。
それはそれはだだっ広い。ただ『戦争』をするためだけの戦場です。

もちろん、トラブルを避けたいのなら、政府の者としか戦いません。

この魔界に存在する政府は約3万人。けれど、それは魔界中です。

このメルアに存在する政府は7000人。メルアと仲がいい都市を合わせても1万と少しなのです。

しかも全員強いとゆうわけじゃない。上層部は13万以上の魔力の持主だけれど、上層部だけと戦うわけじゃありません。

戦力的には…1500がいいところ。上層部の者はそんなにいませんし。勝算はあるのです」



私がそう言うと、みんなはほっと安心したような顔になる。

まあ、この話をするのは今日が初めてだもんね。突然敵の詳しいこと聞いたら緊張するよね。