キーンコーンカーンコーン


「………ん?」

「や、やばくない?」


「へぇ、魔界にもチャイムってあるんだぁ…」

「いや、そうゆう意味じゃない!」


春美はオロオロしてるけど…

大丈夫!
3時間目をサボっただけだよ!


『ありがとーございました』

ダルそうな声が教室から聞こえる。


ガララララッ



「………先生、こんにちは」

「…?こん、にちは」

春美につられて、つい私も第2科学室から出て来たまだ若い男の先生に挨拶をする。


「おお、お前らが1時間目も2時間目もサボった奴らか…
油断してるとすぐ落ちこぼれるぞ?

頑張れよ、今日は許す。今日だけ許す」


そう言って男の先生は笑って、すぐ近くの階段を下って行った。



「…千草、ここの先生、優しいね」

「最初だけね。ほら、仏の顔も三度っていうでしょ?」

「なに、その変な言葉…」

さすがにことわざは知らないか。

そういえば学校に来る途中ことわざの話みんなにしても不思議そうな顔してたな。


でもチャイムもあったし、いろいろ似てるんだな、やっぱり。

まるで、2つの世界はリンクしてる…みたいな。

な訳ないか。