武藤さんは悔しそうな顔をし…


かけた。


「ふっふ〜♪ここまで引っかかってくれるとはね♪
私が頑張って計画しただけある〜!」

「…は?」


武藤さんは急に笑い出したのだ。

頭、打ったのかな?

浮かばせて運んできたし、木にぶつかったとか…


「あ、頭は正常だから大丈夫よ?

そんな事よりさ、千草さん。あなたさ、私にはめられたわけよ」

「え……!」

まさか、政府の軍に囲まれてる…とか⁉︎

私は辺りを見回す…

けど、見えないし気配もなし。

「やっぱ頭をぶつけたんじゃ…?」


「あのねぇ………私はずっと、あなたを倒す『フリ』をしてたの」

「フリ……?」

「そう。ねえ、千草さん。私はあなたがどんな状況に置かれてるか知ってるわ…
それを踏まえて、ちょっと聞いてよ」


私は頷く。

今は、話をおとなしく聞いてた方がいい。


「私は確かに財政大臣の娘。だからあなたのこと、いろいろ知ってるわけよ。

そしてさっき私はずっとお父様の命令は絶対!みたいなこと言ってたでしょ?

あれね、嘘だから。私のことをずっとほったらかしてたあいつなんて、父親じゃねーから。

てか、急に父親ぶって殺してこいって言われた時はマジでムカついたって言うか…」


あ…えと…

な、なんかキャラが変わってる?みたいな…

はっきり言ってめんどくさい。対応に。

私はそれをあからさまに表情に出していたらしい。