嘘…


「じゃあ、あなたは私をどうしたいの?」


「それは…決まってるじゃない…」


彼女は不気味な笑みを浮かべて言った。


「こうするのよ!

ウィング・バード‼︎‼︎」


「…!胡蝶狂火!(コチョウキョウカ)」




武藤さんが飛ばした魔法は、風属性魔法。
風属性は、別名草属性とも言われる魔法。

武藤さんはいとも簡単に最上級魔法を出して見せた。


しかもそれは小さい葉が私に向かって襲ってくるもの…

1つ1つの葉が、ノコギリみたいにギザギザになってる。

私はよけきれなくて、ほおに一筋傷がつく。



けど、私の火属性魔法でそれを打ち消した。




「ふふ……やっぱ火力では勝てないか、御垣家には」

「さっきから御垣御垣言ってるけど…

あなた、私の両親が殺されたこと、知ってるの?
その理由も…?」


お互い1度魔法をやめる。


「もちろんよ。全て知ってるわ、お父様に言われたのよ。
そしてこうも言われた…

『もし殺せるなら殺してくれ』とね‼︎‼︎


フラッシュ‼︎」



ビカッッ


「っ……!ま、ぶし……」



フラッシュは、強い光を放つ魔法。
攻撃的ではないけど…目がやられてもおかしくない最上級魔法。

「ぶ……ブラック・スモールホール!」


私が唱えた瞬間、光は消え去る。

けど、目の前には…


「貰っちゃうよ?
ピルソー‼︎」

「ガネイア!」


いつの間にか私の目の前にいた武藤さんは、また最上級の風属性魔法。

風と私の火がぶつかり合う…

ギリギリ私が火力差で勝つけど、武藤さんはスッとよけた。




「経験が違うのよ…

私はいつ何時お父様に何を頼まれてもこなせられるようにしてきた!
そして、やっとお父様から頼まれたのよ⁉︎

お願いだから…当たって!

火炎放射!」


「アイス・スピア‼︎」



……もしかして。
もしかしてだけど、この子…