氷と魔女《specialstory 完結》

「いっただきまーす!」

「「「いただきます」」」


「……いただきます」


十人十色っていうか…五人五色?



夢奈は見てるだけで笑顔になるような食べっぷりだし
男3人は黙々ともりもり食べてる。

配置は夢奈
吟が隣でその向かいに大樹、冷夜。
そして私が机の狭い方の所にいるって感じ。


私は今日の朝食、スクランブルエッグを口にした。


「…!美味しい……」


「本当⁉︎良かったあ!」


夢奈が安心したような笑顔をしながら言った。



「これ、夢奈が作ったの?

本当に美味しい……」


「も〜!お世辞でも嬉しいよ♪」

お世辞なんかじゃない。

一般家庭で作られるようなスクランブルエッグ。

でも、尋常じゃないぐらいに、ただのスクランブルエッグより美味しい。


ホテルのシェフが作る朝食みたいだ。

ほんのり甘くって、口に入れた瞬間ふわっと溶けてゆく。
トマトも入ってるんだけど、トマトの酸味が良い感じに効いて…

とにかく美味しすぎ。


「夢奈は、料理だけはうめえからな」

「一応学年5位だよ⁉︎」

吟と言い合ってる所を見れば、この2人ってやっぱ幼馴染ってだけあるな〜って感じ。


「オムレツ食べておけば良かった」

「今度から食べてね!

あと、これお弁当!」


夢奈が私に巾着で包まれたお弁当を差し出す。

「え…これ、私の?」

「うん!もっちろん!
毎朝作ってたんだけど、渡す機会がなかったから私がずっと食べてたの」

「え⁉︎あ……胃薬、魔法で調合する?」

「大丈夫だ、千草。こいつは異常な大食いだ」

「吟⁉︎千草、信じないでいいからね⁉︎」


冷夜と大樹はいつの間にか爆笑してた。


「くっくっく……でもさ、夢奈。まだ会ってそんな経たないけど、夢奈の弁当見てれば僕たちも夢奈が大食いってことぐらい…ねぇ?」

「ああ。男の僕らより量が多いんだからね」

「なっ…もう、準備してくるぅぅぅ‼︎」

朝食を食べ終えた夢奈は、真っ赤になりながらものすごい音を出しながら階段を駆け上がって行った。

「……いじりすぎたな」

「「「うん」」」


持っていたお弁当を見ると、綺麗な千草色の巾着袋だった。

「……それな、魔具の巾着袋なんだ。

あげる相手によって色が変わるやつらしいな。

あいつ、わざわざ父さんに頼んでまで俺らに用意してくれたんだ」


吟が優しい笑顔をしながら言った。


そういえば私、昼食は食べてなかったなぁ。
お腹空かなかったし。

でも、なんでだろ。
こんなまともな朝食を食べた日は、お腹空いちゃうかも…なんて。