お母さんとお父さんに寄り添い、散々泣きじゃくった後…

私は、決心して立ち上がった。

お母さんとお父さんの血にまみれた制服で、立ち上がった。


そして、右手を上にあげ、誰にも聞き取れないような呪文を唱えた。


「………

さよなら、みんな」

私の手から光が生まれ、私、お母さん、お父さん、そして家をすっぽり包んだ。





光が消えると同時に…

私の家は、きれいに消え去った。






けど、翌日、周りの住人も、私の友達も、お父さんの同僚も、そのことを不思議に思わなかった。
誰1人として、『人間界』に生きる者は不思議に思わなかった。


だって



御垣千草と、その両親は
人間界から、存在ごと
消え去ったのだから…


ーーーーーー


私は、ネオンが光り輝く魔界のビルの上に降り立った。

そこで一筋涙を流す。


「いつか絶対…

復讐してみせる。

そのためなら私は、誰に恨まれても構わない」