「とぼけてもダメだよ、前園」 そう言って水原くんが、ブレザーのポケットから取り出したのは… 今朝、私が彼の下駄箱に入れたラブレターで。 「これ書いたのって、前園だろ?」 少しの迷いもなく、私にそう聞く水原くん。 「そっ、それはー…」 ちょっ…私、ラブレターに自分の名前書いてなかったし、今朝下駄箱にラブレターを入れたときにも、周りは誰もいなかったのに… なんで本人にバレてるの!? ていうか、なんで水原くんはそんなに自信満々に、手紙の差出人が私だって言いきれるの!?