「!!! ほんと……滝廉太郎は、フォーレの『夢のあとに』もサラサーテの『ツィゴイネルワイゼンも『モルダウ』も聴いたことがあったのかしら?」



 サラサーテはスペイン生まれのヴァイオリニストであり作曲家だ。



『ツィゴイネルワイゼン』は、明治11年(1878年)に作曲されている。



滝廉太郎は明治12年生まれだ。


単に年代だけを考えると知っていた可能性はじゅうぶんにある。


15歳で東京音楽学校に入学し、明治34年にドイツの音楽院に、国費留学したが2ヵ月後、肺結核を発病し、留学1年で帰国し、明治36年6月、大分の自宅で亡くなった。


まだ23歳だった。