金木犀のアリア

安坂が険しい顔をし、生徒会長に怒鳴る。



「先に手を挙げたのは周桜……」



生徒会長は言いかけ、安坂の顔を見て、その険しさに言葉を嗣ぐんだ。



「それに、こいつが親の七光りだと本気で思っているとしたら、耳鼻科にいった方がいいぜ」



安坂はそう言う間も、詩月の背を擦り続ける。



「安坂さん、周桜は制服のポケットにいつも薬入れてます」



誰かが、叫んだ。



安坂は詩月の制服のポケットを漁り、小さな小瓶を取り出した。



「周桜、どうすればいいんだ?」



「……」



詩月が小さく吐息のように何か口走るが、安坂には聞き取れない。



詩月の体が小刻みに震え始める。



安坂は、いよいよ不味いと感じ、携帯電話を取り出し電話をかけた。