「大学の録音ブース、部外者は入れないだろ?」
「貢も一緒なら大丈夫でしょ?」
郁子がニコリ、悪戯っぽく笑う。
「あの安坂さんのことだ。今頃はコンクールの本選に向けて猛練習中だろう?」
詩月がそう言うと、郁子は声をあげて笑った。
店の扉ベルが涼やかに鳴った。
如何にも優等生風の学生と優等生とは言いがたい学生が入って来たのを確認した。
詩月は、郁子にアイコンタクトで知らせるが、郁子は一向に気付かない。
優等生風ではない方の学生が、口角を上げニタリとし、そっと優等生風の学生に耳打ちをし、彼らは郁子の後ろに立った。
郁子が話すのを黙って聞いている。
「よく見抜いているわよ。確かに、あの堅物は今頃、血相変えて練習してるに違いないわね」
「貢も一緒なら大丈夫でしょ?」
郁子がニコリ、悪戯っぽく笑う。
「あの安坂さんのことだ。今頃はコンクールの本選に向けて猛練習中だろう?」
詩月がそう言うと、郁子は声をあげて笑った。
店の扉ベルが涼やかに鳴った。
如何にも優等生風の学生と優等生とは言いがたい学生が入って来たのを確認した。
詩月は、郁子にアイコンタクトで知らせるが、郁子は一向に気付かない。
優等生風ではない方の学生が、口角を上げニタリとし、そっと優等生風の学生に耳打ちをし、彼らは郁子の後ろに立った。
郁子が話すのを黙って聞いている。
「よく見抜いているわよ。確かに、あの堅物は今頃、血相変えて練習してるに違いないわね」



