このての定番曲は安坂貢の得意分野だ。
本選に安坂が残るのは間違いない、1番の強敵だと詩月は思う。
だが……詩月は、コンクールよりもレッスンよりも、白い猫が喫茶店「モルダウ」に来ているかどうかが気になって仕方なかった。
放課後。
教室を出ようとしていると、物好きにも文化祭実行委員長を兼ねている生徒会長が走り込んできた。
「周桜、お前さ。文化祭2日目に1曲弾かない?」
生徒会長は唐突に尋ねる。
「なんで?」
「あ……実は、学長から『ウケ狙いの出し物ばかりでは、学園の品位と実績を問われる。確たる実力者がいることを、来賓にもアピールしたい』だとさ。命令だな」
「くだらない。生徒に運営は任せるなんて言っておいて、面子や体裁を大事にしろということか」
本選に安坂が残るのは間違いない、1番の強敵だと詩月は思う。
だが……詩月は、コンクールよりもレッスンよりも、白い猫が喫茶店「モルダウ」に来ているかどうかが気になって仕方なかった。
放課後。
教室を出ようとしていると、物好きにも文化祭実行委員長を兼ねている生徒会長が走り込んできた。
「周桜、お前さ。文化祭2日目に1曲弾かない?」
生徒会長は唐突に尋ねる。
「なんで?」
「あ……実は、学長から『ウケ狙いの出し物ばかりでは、学園の品位と実績を問われる。確たる実力者がいることを、来賓にもアピールしたい』だとさ。命令だな」
「くだらない。生徒に運営は任せるなんて言っておいて、面子や体裁を大事にしろということか」



