あたしはクッションに顔をうずめる。


そして『どうしよう』ばかりを、繰り返し考えていた。


不安に押しつぶされてしまいそう。


怖いよ。倒れてしまうよ。

支えが・・・・・・欲しいよ。


救いを求める頭の中に、由依の顔が浮かんだ。


明るくて強くて、頼りになる友だち。


気が付けば、あたしは由依に電話をかけていた。


『はいもしもし、佳那?』


『由依・・・・・・』


『部活の後で、教室に行ったんだよ。佳那、もう帰っちゃってたみたいで』


『・・・・・・・・・・・・』


『学級旗、どうなった? 下描き完成した?』


『それどころじゃ、なくなっちゃった』


『・・・・・・どうしたの?』



由依の声を聞いたら、なんだか泣けてきた。


由依、助けて。

あたし、どうすればいいのか、もう分かんないよ!


あたしは涙声で、さっきの出来事を全部、由依に話した。


うまく話せなくて、分かりにくかったろうけど・・・・・・。


由依は、黙ってあたしの話を聞いてくれた。


途中で口をはさむことも無く、じっと無言のまま。


おかげであたしは、感情があふれるまま、思うままに全部を吐き出すことができた。