な、なんだよ…。
そんなウルウルした目向けられても何も持ってねぇーぞ。
第一俺は学校があるんだよ!
だからお前に構ってる暇はない!!
「ミャー」
三毛猫は一向に離れようとしない。
「あのな…俺はお前を拾ってやることはできねぇーの!わりぃな!!」
そう言って三毛猫に背を向けて歩きだす。
三毛猫よ…他をあってくれ。
俺にはコジローという愛しの弟が家にいるんだ…!
「あら、こうちゃんじゃない。おはよう」
涙を流すようなふりをしていると不意にかけられた声。
「あ、おばちゃん。おはよう」
近所住む青木のおばちゃんだった。

