……痛い。 とんでもなく痛い。 「~~ってぇ」 なんて言えたのは。 目から星が飛び散ってしばらく経ってからだ。 けれども。 「大丈夫?」 頭をかかえて座り込んでいるぼくに、手を貸そうと近寄ってきてくれた子がいた。 さっき。 電信柱があることを教えてくれた女の子だ。 「ありが……」 その子にお礼を言おうとして、ぼくは黙る。 彼女が、ぼくのクラスの吉田さんだっていうことに、初めて気がついたからだ。