さくらの花が咲く頃に

18歳になったら、私は結婚が決まっている。

でも、まだ先のことだから、今を楽しむのよって思ってた。

まだあと、11年もあったから、そんな未来は見えなかった。



……春の陽気にうとうとしていると、突然、悲鳴があがった。

ビックリして、立ち上がる。

みんな、草むらの方を見ている。

私もそっちを見ると、そこには大きな動物がいた。

この生き物…図鑑で見たことがある。

くま…だっけ、いぬだっけ。

でも、図鑑で見たよりも薄汚れていて、怖い表情をしている。

『野良犬よ!』

誰かが叫んだ。

『こっちにいらっしゃい』

大人がそう言う前に、子供達は公園から走って出ていった。

怖いの…かな。

魔法界では、動物と魔法で話せるくらいだから、私は動物を怖いと思ったことがなかった。

そんなことを考えているうちに、犬がじりじりと近づいてきていた。