彩羽の友達ってことは、年下か。
「ねぇ、彩羽と友達になったきっかけは?」
「きっかけ、ですか・・・・・・。入学式の日なんですけど、席が前後だったんです。それで私が話しかけたのがきっかけですかね?」
いや、疑問形で言われても。
「最初は全然人を寄せ付けなかったんです。まさに一匹狼って感じでした。あ、でも愛想はよかったから狼じゃないのかな?」
昔の彩羽を知れてるって気がして新鮮に感じた。
「そういうのに燃える派でして、私。ずっと彩羽にくっついて回ったんです。そしたら徐々に心を開いてくれたんです」
その時のことを思い出しているのか、嬉しそうな顔つきになった。
「彩羽は体育サボってた?」
「そうですよ。ダルイとか気分じゃないとか言っていつもサボってました。サボるから体育館にも居てくれなくて」
中学の時から彩羽は運動できなかったのか。
「体育祭も暑いからと言って参加しないで、テントから見学してるか、保健室に居るかでした」
彩羽はどんな思いで体育祭に来ていたのだろうか。
自分が出来もしない行事に参加し、見ているだけなんて。
これが彩羽の運命とでもいうのだろうか_____?


