「いやー、ずっと声をかけようと思ってたんですけど話しかけにくくて」
立ち話もなんだからと学校から近いカフェに入った。
テーブルに案内されると、この女はチョコレートパフェを注文した。
注文したパフェを頬張りながら緊張が解けた様子だ。
「ウチの学校そんなに柄悪い?」
俺は頼んだホットコーヒーを啜った。
きっと彩羽ならイチゴのパフェを頼んでいたんだろうな。
「そうじゃないんです。緊張しちゃって」
「で、君は何しに来てたの?」
「あ、私伊丹夏那(いたみ なずな)って言います」
「その制服・・・・・、確か女子高だったよね」
「はい。私達、花蓮高校に通うのを目標に必死に勉強してたんです」
“達”?
「あ、私と彩羽です」
そんな分かりやすく表情に出ていたのだろうか。


