命が続く限り




コンコン_____



「碧琉、居るか?」


「おかえり」



ノックをして直ぐにドアを開けたのは兄貴だった。



「もう風呂入ったんだ」



何しても落ち着かなかったんだよ。



「病名は?」


「直球に来るねー」



兄貴の焦らしに睨み返した。



「あぁー、はいはい。こっからは冗談抜きといくよ」



最初からそうしてくれた方がありがたい。



「病名は心疾患。動脈が細いんだ。慢性心不全で、長期に渡って症状が悪化し、運動力が低下していくんだ」



運動力が、低下・・・・・




思えばデートはいつも屋内ばかりだった。



映画や水族館、モールばかりだった。