屋上が開いているわけでもなく、裏庭には生徒が沢山居るため、図書室に来た。
昼休みのこの時間なら誰も来ない。
来ても放課後に数える程度だ。
「先輩、お誕生日おめでとうございます!」
スッと差し出してきた小さな紙袋。
「俺、まだ誕生日じゃないけど?」
「知ってます。当日一緒にお祝い、出来ないから………………」
詰まって詰まって言う彩羽は今にも泣き出しそうだった。
「なんかあったのか?」
「先輩に嘘付きたくないんで、本当のこと言いますね」
近くの机にプレゼントを置き、一呼吸すると真っ直ぐな瞳を向けた。
「私______」