「私、走りたくないです」
「は?でも走んないと間に合わない」
「ですから二人だけで先に行ってください。私の担任は土井ちゃんじゃないので罰とかないんで」
ヘラッと笑い、手を放そうとした。
が、逆に手を引かれ、先輩の胸にダイブしてしまった。
「彩羽が走りたくないなら歩くか」
「え?」
「そうだな。どうせ走っても間に合わないだろうし」
「いや、お前は先に行けよ」
「彩羽ちゃん独占すんなって」
「お前は馴れ馴れしくし過ぎだ」
碧琉先輩を挟み、体育館へ向かった。
本当はサボろうと思って先輩の教室の前通ったんだけどな………………
まさかあんな時間にまだ先輩達が居るなんて思ってなかったからな。