「彩羽?どうした」


「先輩、始業式始まります」



キーンコーンカーンコーン



タイミングよく鳴ったチャイムに先輩達二人の顔が険しくなった。



「ヤベッ」

「土井ちゃん怒るぞ」

「怒ると何させられるか」

「早く行くぞ」

「彩羽、行くぞ」



手を握られ走り出そうとした。



「先輩!」


「彩羽?」



一緒に走り出そうとしなかったことを


立ち止まっていることを



不思議に思っている。