命が続く限り




「拓海君と碧琉先輩。違いは?」


と言われましても………


「呼び方が……?」


呼び方………………?



あぁ!!


「君と先輩!!」

「そう!」


あぁ!!!


分かった!!!


と同時に顔が赤くなった。


想像してしまったのだ。


「呼んで?」


そんな可愛くお願いされても…………



「あ…………」

「あ?」

「あい…………」

「あい?」

「あい、る……く、さん!!」


無理。これが限界。


君とか絶対呼べない。


恥ずかしさで顔を手で覆った。




「碧琉、さん…………?」

「それが私の限界ですぅぅ…………」


それ以上はもう無理。


「彩羽」


優しい声と共に優しく手をゆっくりと退かされた。



「ぃ、ゃぁ………………」



真っ赤な顔を見られて声が全然出なかった。



「可愛い、彩羽さん」

「へっ!?」


彩羽、さん………………?


「彩羽さんの呼び方次第で君の呼び方も変える」


え、えぇ!?


「嫌です!今まで通りで呼んでください!!」


「なら分かってる?」


ズルい…………



先輩はいつだって二枚も三枚も上手だ。



「…………碧琉、………………君……」

「君?」

「……あ、……いる…………」

「ん、よくできました」

「先輩の意地悪」

「また先輩って言った」


お仕置きと言わんばかりに息の続かないキスの嵐がやってきた。


それじゃお仕置きになってないです。



そう言おうかとも思ったけどそんなこと言ってる隙すらもらえなかった。