命が続く限り




「凄く不謹慎だけど、夏那のその時の涙が凄く綺麗だったんだ。あぁ、女の人ってこんなに綺麗に泣くんだ、って感動して」



え、何急に臭いこと言い始めたの?



「ほら、俺って女の涙は嘘泣きか化粧で真っ黒な涙とか大声で泣き叫ぶとかそんなのしか見てこなかったから」



つまり不様だった、と言いたいのだろうか?



「凄く純粋で透明な涙に惹かれた」


「で、告白したのは?」


碧琉先輩は何をストレートに聞いてしまっているのだろうか。


「おれ」

「は?お前が?」


って言うことは本気と思っていいのだろうか。


「私もね、気になってはいたんだけど告白されてから自分の本当の気持ちに気付いたっていうか…………」


「で、いつから付き合ってるの?」


相手が拓海先輩なのはちょっと以上に心配だ。


「彩羽が目を覚ました日」



それでも



「そろそろ彩羽達にも報告しなきゃって思って」



こんなに幸せそうに笑わせるのはきっと私には無理だから。



「拓海君達も卒業して落ち着いたからって」



少しは拓海先輩に感謝しなくちゃいけないな。



「因みに今日、エイプリルフールなんだけど」


もしそれで嘘ですとか言ったら私拓海先輩のこと殴りますよ?


「いや、本当だから。嘘だったら彩羽ちゃんに恨まれそうだし」



よく分かってるじゃないですか。



心の中でパチパチと拍手をしてあげた。