「はぁ~…………」


今日はマジで理性がぶっ飛んだ。


彩羽が“病人だった”なんてことスッカリ忘れて無我夢中で彩羽を求めてた。


『……ぁ、ん…………』


あんな声聞いて正気で居ろって方が無理だ。



未だにあの声が頭から離れずにいるし。



いつまで運動禁止なんだろ。



解禁になったら何してもいいんだよな?



あ、でも“息が苦しい”そう言われたときは体の震えが止まらなかった。



脳裏に過呼吸になった彩羽が鮮明に思い出してしまったのだ。



「俺、彩羽とヤれねぇのかな…………」



力なく顔を枕に沈めた。



「いや、弟の性事情なんて聞きたくねぇんだけど」



いきなりした声で飛び起きた。



「兄貴!?ノックぐらいしろよ」



一人で悶々としてる間ずっと見られてたってことかよ…………。



「一応したけど返事がなくて」



マジか…………



「俺の用事はこれ」



数冊の本を見せられた。



「俺の昔の大学で使ってた教科書。予習するくらいなら便利かなって思って」


「あぁ、サンキュ」



俺の進路を家族で一番に応援してくれたのが兄貴だった。



「あ、そうそう。彩羽ちゃん、3年生から体育参加できるよ」


捨て台詞を言いながら出ていってしまった。


勿論ニヤニヤしながら。