「大丈夫です」



先輩をギュっと抱きしめた。



「私、ちゃんと生きてます」



トラウマにしてしまった罪悪感は私にもある。



「先輩、ごめんなさい。怖い思い、させちゃいましたね」



私が何も言わないで告白して



何も言わないで一緒に過ごして



何も言わないで別れを告げた。



そして必然的に先輩にバレないように隠し続けていた。



もし私が何かを先輩に伝えていれば何か変わっていたのかもしれない。



「もう私は死ぬ覚悟とかしません。もし苦しくなったらちゃんと言います。だからそんなに心配しないでください」


「それは無理。ちゃんと心配はさせて?俺も過保護程にはならないようにするから」


「はい」



視線が交わると、どちらからともなく唇を重ねた。