命が続く限り





「ちょっと遅くなりましたけど、お誕生日おめでとうございます」



というか大分だけど・・・・・・



「ありがとう」



笑顔で受け取ってくれた。



まさか自分の手でこういう風に渡せると思っていなかったから嬉しくてしかたない。



これだけでも満足な筈なのに、もう一つって思うのは生きてる証拠。



我儘って思われてもいい。



だって生きてなきゃできなかったもの。



「“先輩、好きです!”」



すごくシンプルだけど自分の気持ちを伝える事で精一杯だった。



今までまともな接触があったのかと聞かれたら“うん”とはいいにくい。



そんな状況で切羽詰まっての告白。



自己満足でしたも同然だった。



だからそれ以外は何も言わなかったし、何も言えなかった。



「“俺から告白しようと思ってたんだけどな。じゃあ俺からは、………………付き合おう”」



あの時と同じ照れた笑顔。



正直ダメ元だった告白。



まさかそんなことを言ってもらえると思っていなくて嬉しくて心がはしゃいだ。



いつかは後悔する。分かっていても断れなかった。



でも、今回は違う。



今回は心から言える。



「“はい!!”」



自然と笑顔になると、先輩の顔が近づいてきた。





「ずっと大切にする」


あの時は言われなかった台詞。


驚いてアタフタしている私の唇を先輩は難なく奪った。