命が続く限り




「それでハッキリするっていう話なんだけど」



受験が既に終わってしまったという事実に衝撃的すぎて碧琉先輩にとっての本題をすっかり忘れていた。



「ここ、憶えてるよね?」


「えーと・・・・・・」


「彩羽が“婚約者がいる”って言った日のこと」


「えぇ、憶えてますよ・・・・・・・?」



というかそれしかないですもんね、この教室には。



曖昧な返事を返すと微笑された。



「そこからやり直そうと思って」



え・・・・・・・・?



あ・・・・・・・



状況を読みこめていないと手に紙袋を握らされた。



「これ・・・・・・・・」


「憶えててくれてよかった。あの時俺にはどうすることもできなくて拓海に渡したんだ。それであいつは預かってくれてた。昨日返してくれたんだ」



そうだったんだ・・・・・・



「やり直さない?あの時から」



碧琉先輩・・・・・・・・・



熱くなった目頭に我慢しながら先輩の顔を見て向かいあった。