「ほら、もう世界が維持できなくなってきている」
周りの風景や家具が次々と消えていった。
「俺の存在、悪魔の存在は彩羽が生み出した幻。もしくは本当に存在して彩羽を困らした存在かは彩羽の判断に任せるよ」
それ、どういうこと?
「名前、本当の名前教えて。そしたらあなたの存在信じるから」
周りの風景がすべて消え、真っ白の世界に姿を変えてしまった。
「ほら、ちゃんと願って。“帰りたい”って。じゃなきゃ俺は消えない」
私が彼の名前を知りたい。そう思っている所為か、2人だけの世界となってしまった。
「ほら、会いたいでしょ?碧琉に」
碧琉先輩______
「会って抱きしめてもらってキスしたいでしょ?」
確かに会いたい。
会いたくないわけがない。
「ずっと隣にいたいでしょ?」
できることなら碧琉先輩の隣は私がいい。
「碧琉の腕の中で笑っていたいでしょ?」
昔みたいに戻りたい。
「うん、いい子」
え_____
彼に言われて下に視線を移すと、足から上へと透けてきていた。


