先程は物音ひとつない空間だったはずなのに、人の気配がした。
そ~っと扉を開けると全身真っ黒の男の人がいた。
黒い服装。
服装よりも綺麗な真っ黒な、漆黒な髪。
全身黒いせいか、肌の白が引き立っている。
「あったまれた?」
今見た顔立ちは、そこら辺にいる男よりも断然イケメン。
顔立ちに惹かれるってのもあったけど、私が一番惹かれたのは瞳の色だった。
初めて見る、日本人ではありえない綺麗な緑の瞳。
「はい。勝手に入らしてもらってごめんなさい。それに、洋服も」
「あぁ、別にいいよ。サイズ大丈夫?」
「はい」
誰の服?とは思ったけど聞かないでおこう。
今目の前にいるのは男の人1人しかいないが、きっと女の人も住んでいるのだろう。
でなきゃこんなトータルコーデみたいなことできない。
「腹は?」
「あ、空いてます・・・・・」
図々しいかな?とは思ったが、お腹空いたものはしょうがない。
「作ったから食べる?」
「はい!」
勢いよく返事したもんだから男の人に笑われてしまった。


